不動産大家の仕事は、細かい部分まで挙げるとキリがありませんが、大きく分けると以下の3つに分類出来ます。
① 入居者の管理
② 物件の管理
③ お金の管理
順番に説明していきますので、まだこれから不動産投資を始める人は、イメージしながら確認してください。
①入居者の管理
アパート経営において収益源は入居者からの家賃収入ですので、入居者無くして不動産投資は成り立ちません。
入居者の管理は、入居者が入居する時から退去時まで多々あります。
【 入居募集 】
入居者がいない空室の部屋があれば入居者を募集する必要があります。
不動産投資は、空室期間をいかに無くし、物件の稼働率を上げるかが経営の鍵です。
よって退去が決まった際は、いち早く新規の入居者を探すことが重要です。
入居募集は、不動産大家にとって最も大切な業務であると言えます。
【 クレーム対応 】
大家業の中でクレーム対応は大きな部分を占めます。
クレーム対応と言えば、悪いイメージが多いですが、大家業のクレーム対応は入居者からくる問い合わせの対応全般を指します。
大半は「共用部の電気が切れて暗い」、「エアコンが故障した」のような簡単なものですが、中には、「隣の部屋がうるさい」のような隣人関係の解決が難しいものもあります。
管理戸数が増える程クレームも多くなるので、たとえ専業大家でも管理戸数が30から50戸を超えてくるとかなり大変です。
【 退去時の対応全般 】
退去が発生した際には、退去日の決定、退去時の立会い、契約期間(通常2年)に満たない場合は違約金の請求、退去後のリフォームの手配等の対応があります。
退去時の立会いは、修繕箇所のチェックや必要であれば入居者へ修繕費を請求する必要がある為、とても重要な業務です。
②物件(建物)の管理
物件(建物)は、入居者の大切な住まいですので、築年数が経っても安心して住むことが出来るように日々しっかりとケアする必要があります。
また建物は、投資家の資産である為、資産価値を維持する為にも物件の管理は重要です。
経営面を考えて建物の修繕やメンテナンスにお金をかけないと言う考え方もありますが、劣化が目立つと入居募集に悪影響が出ます。
また、将来的に売却する際にも、状態の悪い建物は資産価値が下がります。
ここでは、投資家の資産である物件(建物)の管理について解説します。
【 共用部の清掃 】
通路や駐輪場、駐車場のような共用部の清掃、庭の除草などは、物件の清潔感を保つ為に重要な業務です。
共用部は、外から目に付く場所ですので、汚れが目立つと次の入居付けにも影響が出ます。
放置しておくと汚れがひどくなり、清掃しても元の状態に戻すことが難しくなる為、定期的に清掃することが大切です。
【 付帯設備の管理 】
水回りやトイレ、キッチン、ガス給湯器、エアコン等、オーナーの所有物である付帯設備については、故障した場合、オーナーが対処する必要があります。
修繕するか新しく交換するのか等についても資金面を考えて判断しなければなりません。
付帯設備もオーナーの大切な資産であり、入居付けにも影響する重要な部分なので設備の管理も大切な業務です。
【 外観のメンテナンス 】
建物の屋根や壁等、外観についても定期的にメンテナンスが必要です。
特に屋根については、経年劣化によって雨漏りが発生する可能性がある為、注意しましょう。
外壁も塗装が色あせてくると見栄えが悪くなるので定期的に塗り直しが必要です。
外壁にサイディングボードを使用している物件だと雨風で汚れが落ちるようになっている為、メンテナンスが楽です。
サイディングボードの場合は、10年から15年に一度、継ぎ目のコーキングの打ち直しが必要になります。
③お金の管理
お金の管理は、経営者である不動産大家にとって最も大切な業務です。
特に不動産投資は銀行融資を活用することが多い為、手元資金が無くなって融資の返済が滞ると経営を続けることが出来なくなります。
よって、お金の管理、資金繰りがとても大切になります。
これは、家計と同じで収入部分と支出部分をしっかり管理し、計画的な資金繰りをすることが大切です。
【 収入部分の管理 】
売却益等のイレギュラーな収入は別として、不動産経営においてメインの収入は家賃収入です。
家賃収入は、不動産経営の唯一の売り上げであり、経営を続ける為の原資となります。
収入部分の管理とは、
・家賃の振り込み確認をする
・家賃を集計して支払い計画を立てる
・家賃の未払いがあればその入居者に督促をする
等があります。
不動産投資は家賃収入がすべてなので、上記3つを意識して収入部分のお金を漏れなく管理することが重要です。
【 支出部分の管理 】
不動産経営は家賃収入からランニングコストを差し引いた部分が利益でありオーナーの手残り収入になります。
毎月入ってくる家賃は変動しませんので、出ていく支出部分を減らすことがオーナーの収入を増やすことに直結します。
不動産経営の支出は、ローン返済、物件の修繕費、税金など多々あります。
ローンの返済や税金等、どうしようもない支出は除いて、修繕費や雑費など抑えられる支出は抑える努力が必要です。
管理会社の仕事は、結論、上記で紹介した入居者、物件、お金の管理等の大家業全般をオーナーに代わって行うことです。
よって、「設備を修繕するか、いっそのこと交換してしまうか」のようなオーナーの経営判断が必要なもの以外、上記で紹介した大家業は、すべて管理会社に委託することが出来ます。
また上記の大家業をすべて自分で行うのはかなり労力がかかりますが、管理会社に管理委託する場合の手数料は、5%前後とそれほど高くないのが一般的です。
この理由は、管理会社は、管理を専門にしている会社が多く、何戸もの部屋数を管理している為、人件費や資材費等でスケールメリットを効かすことが出来るからです。
よって、大家業は、自分で行うと非常に手間がかかりますが、管理会社に委託するととてもお得である、とも言えます。
先述したように大家業は、自分で行うより管理会社に委託する方がかなり効果的です。
特に、専業大家ではないサラリーマン大家の場合、自主管理で完結するのは不可能と言っても過言ではありません。
管理会社は、管理のプロであり不動産経営のプロでもある為、活用することで経営をしていく上で非常に大きなメリットがあります。
お得に管理を委託しながら、時には経営のアドバイスももらいながら、管理会社を上手に利用しましょう。
今回は、不動産大家の仕事内容をテーマに不動産経営における業務について解説しました。
紹介した業務以外にも不動産経営の業務はたくさんあり、細かく分けると多岐に渡ります。
管理会社であればそんな細かい業務まで代行してくれる為、不動産経営の中でオーナーが行う業務はほとんどなくなります。
不動産投資を始める、更に規模を拡大していくのであれば、不動産経営の味方である管理会社をうまく利用して効率良く経営を進めていきましょう。