賃貸管理コラム

サブリース契約に必要な「重要事項説明」について解説!

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賃貸住宅管理業およびサブリース契約の適正化のための「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(以下、「新法」といいます。)が、2020年6月に成立しました。   新法では、第三者への転貸(サブリース)を目的としてサブリース事業者が物件オーナーと締結する賃貸借契約(マスターリース契約)を「特定賃貸借契約」とし、その適正化を図るための措置(サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置)を設定しています。   この措置については、マスターリース契約締結の際の重要事項説明の義務付けなどが盛り込まれ、2020年12月15日に施行されました。   今回は、「サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置」のうち、契約締結前の重要事項の説明と、契約締結時の書面の交付について、ご説明したいと思います。

契約締結前に重要事項の説明が必要

コラムイメージ1 マスターリース契約の締結前に、サブリース事業者は、物件オーナーに対して、家賃、契約期間などの重要事項を記載した書面を交付して説明しなければなりません。

重要事項の説明に使われる書面には、下記の記載事項(1)~(14)が記載され、オーナーは、これらの事項に沿って、サブリース事業者から説明を受けます(表1参照)。この書面は一般に、「重要事項説明書」と呼ばれます。

マスターリース契約は、家賃その他賃貸の条件、維持保全の実施方法や費用分担、契約期間、契約解除の条件など、多岐にわたる複雑なものとなります。このため、物件オーナーは重要事項説明書の内容をよく確認し、不明な点があれば、サブリース事業者に確認したうえで、契約を締結するかを判断することが大事です。

<表1 重要事項の記載事項>

No. 事項
(1) マスターリース契約を締結するサブリース業者の商号、名称又は氏名及び住所
(2) マスターリース契約の対象となる賃貸住宅
(3) 契約期間に関する事項
(4) マスターリース契約の相手方に支払う家賃の額、支払期日、支払方法等の条件並びにその変更に関する事項
(5) サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法
(6) サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全に要する費用の分担に関する事項
(7) マスターリース契約の相手方に対する維持保全の実施状況の報告に関する事項
(8) 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
(9) 責任及び免責に関する事項
(10) 転借人の資格その他の転貸の条件に関する事項
(11) 転借人に対する(5)の内容の周知に関する事項
(12) マスターリース契約の更新及び解除に関する事項
(13) マスターリース契約が終了した場合におけるサブリース業者の権利義務の承継に関する事項
(14) 借地借家法その他マスターリース契約に係る法令に関する事項の概要

リスクについても事前に説明が必要

コラムイメージ2 重要事項説明書には、賃料発生までの免責期間、契約期間中の追加費用の発生、契約の解除条件などの、契約を締結するうえでの留意点に加えて、家賃減額などのリスクについても記載されています。 オーナーに対しては、こうしたリスクも説明されます。サブリース事業者から説明される具体的なリスク事項は、下記のとおりです。

■家賃が減額される場合があること
・家賃の定期的な見直しがあり、見直しにより家賃が減額する場合があること
・契約条件にかかわらず、借地借家法(第32条)に基づきサブリース事業者が減額請求を行うことができること(この場合、物件オーナーは必ず減額請求を受け入れなければならないわけではなく、協議が必要であること)


■契約期間中に解約となる場合があること
・契約期間中でも、サブリース事業者から解約される場合があること
・借地借家法(第28条)に基づき物件オーナーからの解約には正当事由が必要であること

リスク事項はあくまでも、その可能性があることを示し、発生を前提としているわけではありませんが、物件オーナーがトラブルに遭わないためにも、ポイントをしっかり把握しておきたいところです。

なお、国土交通省では、サブリース事業に関する規制の実効性を確保し、サブリース事業者とオーナーとのトラブルを防止するため、法の規制対象や法違反となり得る具体的な事例を明確化し、これらの規制の内容を関係者に分かりやすく示した「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」を策定しています。

オンラインでの重要事項説明も可能

コラムイメージ3 重要事項説明は、対面で行うことが原則です。ただし、オーナーが承諾し、一定の条件を満たせば、対面による説明に代えて、ビデオ会議システムなどを利用したオンラインでの説明が認められます。
これは、不動産業界では「IT重説」と呼ばれ、オーナーは、あらかじめ送付された重要事項説明書を確認しながらサブリース事業者から説明を受け、質疑応答したうえで契約を締結することが可能となります。オーナーにとっては、サブリース事業者の元までわざわざ出向く必要がないなど、利便性が高まることが期待されます。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響もあり、今後はIT重説が活用される機会が増えると予想されます。

契約締結時に契約書面を交付

コラムイメージ4 さらに、契約を締結する際には、サブリース事業者はオーナーに対し、遅滞なく、契約内容や条件を記載した書面を交付しなければなりません。
契約に関して、オーナーとサブリース事業者との間に認識の相違があると、のちのち両者の間で無用のトラブルを招きかねません。こうした事態になることを防ぐため、オーナーは契約書面の内容をよく確認することが必要です。

なお、契約締結時の契約書面は、電子メールやWebからのダウンロードなどによって受け取ることも可能です。

サブリースに関する新法の誕生により、サブリース事業が適正に行える枠組みができ、全体として賃貸管理業務の質が向上することが期待されます。 今回ご説明しました、契約締結前の重要事項の説明と、契約締結時の書面の交付は、オーナーに契約内容確認の機会を与えるものです。
オーナーは、契約を締結する際、サブリース事業者に納得のいく説明を求め、疑問点をあらかじめ解消しておくことが大切です。

グローリア・ライフ・クリエイトでは、オーナー様が安心して賃貸管理をお任せいただけるよう、重要事項説明書ならびに契約締結書面をしっかりとご説明するのはもちろんのこと、不動産経営に関するリスクについてもお答えしています。賃貸管理に関するお悩みなどもお気軽にご相談ください。


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