賃貸管理コラム
エレベーターの法定点検は、安全性と性能を維持するために法律で義務付けられています。法定点検の検査・報告が行われていないと、100万円以下の罰金に処されます。
エレベーターの法定点検が求められる理由や、保守点検との違いなどを解説します。
法定点検の検査・報告が行われていないと、100万円以下の罰金に処されます。ここでは、法定点検が求められる理由や義務にならないケース、法定点検の項目について詳しくみていきましょう。
また、エレベーターは時が経つにつれ異音がしたり、揺れが発生したりと乗り心地が悪化する可能性があります。性能の低下に対し、点検で運行状態の確認や部品の清掃などを施すことで、長い期間、安全かつ快適な性能を保てる可能性が高くなります。
機械室の検査 | 巻上機 | モーター、ブレーキ、ギアの状態確認 |
制御装置 | 制御盤の動作確認 | |
配電装置 | 配線、絶縁状態の確認 | |
安全装置 | 調速機、緊急停止装置などの動作確認 | |
機械室 | 機械室内の空調、照明装置の確認 | |
昇降路内の検査 | レール・ガイドシューなどの状態確認、昇降路内の空調、照明装置の確認 | |
かご室の検査 | かご室内の構造や内装材の状態、ドアの開閉装置などの動作、照明装置、操作ボタン、表示灯の状態確認 | |
着床装置 | 各階の停止位置や段差、ドアの位置や開閉速度を確認 |
ほかにもワイヤーロープの摩耗や破損、カウンターウェイトの重量や状態、緩衝材の状態などの確認を行います。法定点検は、「昇降機等検査員」という国家資格を保有したスタッフが目視や計測器による測定によって検査を実施します。
一方、保守点検は保守点検契約に基づき、エレベーターの使用頻度等に応じて保守・点検を点検事業者が実施し、定期検査等の報告義務はありません。
ただし、点検の記録は3年以上保管が必要です。保守点検は全てのエレベーターが対象で、点検箇所は運行状況の確認、各種調整や注油、摩耗や劣化した部品の交換など法定点検に比べると点検項目は限られています。しかし、1カ月に1回程度実施することで、エレベーターの不具合や故障にすぐ対応できます。
そもそも毎月行われる保守点検は、エレベーターの安全性や性能の維持に重要な役割を果たしています。点検の頻度については法定点検と異なり、回数が定められていませんが、1カ月に1度程度の点検実施が義務付けられています。
よって、エレベーターを安全に運行するためには、毎月の点検が確実に行われることが重要です。
エレベーターの点検を依頼する際には会社選びが重要です。専門の技術者が定期的かつ適切に点検を実施することでエレベーターの安全性や性能の維持が保たれます。エレベーターの性能は点検が実施されないと短期間で低下してしまいます。
具体的には、下記のような点について確認するとよいでしょう。
これらの内容を会社選びの段階で確認して、複数社の内容を比較することで信頼できる保守点検会社と契約できるでしょう。
同様の点検内容でも費用に大きな開きがあるケースや、費用が同額にも関われず保証される内容やサービスに差があるケースもあります。料金やサービス内容をよく比較して検討しましょう。次に、保守点検を利用している方の口コミや評判を参考にしましょう。
実際に利用している方がどのような点にメリット・デメリットを感じているのかをみておくことで、より信頼できる事業者と付き合える可能性があります。そして、保守点検におけるアフターフォローの内容を確認しましょう。
定期的にエレベーターの状態を報告してもらったり、よりよくエレベーターが使用できるための提案をしてくれたりすることで、設置した時の同様の性能を長く保てます。最後に、契約内容をよく確認しましょう。
契約内容を確認した上で不明点については都度確認します。その際に担当者から丁寧に対応してもらえると、安心して保守点検を依頼できるでしょう。
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