賃貸管理コラム

サブリースは儲かる?賃貸オーナーが知っておくべき賃貸経営の秘訣

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サブリースとは、簡単にいうと又貸しのことです。

アパートやマンションのオーナーはサブリース会社に物件をまるごと貸し出し、それをサブリース会社が入居希望者に部屋を貸します。オーナーは、サブリース会社に管理業務の大部分を委託します。

サブリースに悪いイメージを持つ人もいますが、本当に儲かるのでしょうか。

本記事では、サブリースがオーナーにとって儲かる仕組みなのか、徹底解説します。また、サブリースをうまく活用するコツを紹介します。

サブリースで賃貸経営が儲からない、は本当?

サブリースに悪いイメージを持っている人もいます。その原因となる事例と世間の動向を解説します。

レオパレス問題

2019年にテレビ報道がきっかけで過去の違法建築問題とサブリースを巡るトラブルが、大きな社会問題になりました。

レオパレス21が提案していたサブリースは、土地の所有者にアパートを建設してもらい、そのアパートをレオパレス21が一括で借り上げて、個別に入居者に貸し出す形式でした。

オーナーとの契約で「家賃収入は最長で30年間変わらない」としていました。しかし、借地借家法32条を根拠に、多数のオーナーに会社ぐるみで家賃の減額を迫っていたことが判明したのです。

借地借家法32条の内容は、以下のとおりです。

(前略)契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。(後略)e-Gov「借地借家法」

サブリースの場合でも、借地借家法上は、オーナーが賃貸人でありレオパレス21が賃借人です。レオパレス21の主張は違法ではありませんが、オーナーに対して事前に十分な説明をしていなかったため、全国で大きなトラブルに発展しました。

参考:全国賃貸住宅新聞「レオパレス、借り上げ家賃減額泥沼化

「かぼちゃの馬車」問題

2018年に「かぼちゃの馬車」と呼ばれる女性専用のシェアハウスを運用していたスマートデイズという不動産会社が経営危機に陥り、のちに倒産しました。この倒産は全国的に大きく報道され、社会問題になりました。

スマートデイズは、オーナーに「かぼちゃの馬車」を購入させて一括で借り上げるサブリースのサービスを展開していました。

「頭金なしで投資が可能」「30年間の家賃を保証する」などの広告文句で、多くの会社員や公務員、スポーツ選手などに安心感を与えて契約を結びました。

しかし、実際は想定していたように入居者を確保できなかったため、多額の負債を抱えて、最終的に倒産しました。

サブリース会社が倒産してしまったので、家賃保証によるオーナーの収入もなくなりました。オーナーにはシェハウス購入で利用した多額の借金やローンが残り、サブリースを利用して返済する手段も断たれてしまいました。そのため、自己破産せざるをえなかったオーナーもいたそうです。

この問題では、スマートデイズと提携して不動産購入ローンを組んでいた銀行にも批判が向けられました。

参考:日本経済新聞「「かぼちゃの馬車」運営会社、民事再生法申請

賃貸物件における管理方法の現状

上述した2つの事例はどちらも全国ニュースで取り上げられ、サブリースのイメージを悪化させました。

しかし、サブリースはメリットが多く、実際の需要は高いです。サブリースは、活用方法次第で、賃貸経営を成功させるための有効な手法といえます。

実際に公益財団法人 日本住宅総合センターが2019年に公開したアンケート結果「民間賃貸住宅の供給実態調査 結果概要―供給主体やサブリース事業者の関与などを中心に―」によると、賃貸物件における管理方法は以下のとおりです。

管理形態 割合(%)
管理委託(一部を委託している場合も含む) 54.7
すべて自主管理 25.0
一括借上げによる管理(サブリース等) 20.3

建築時期が新しいほど、一括借上げにより管理(サブリースなど)の比率が高く、2011 年以降は 37.8%がサブリースです。

このようにサブリースは、広く利用されている賃貸物件の管理方法だと言えます。

サブリースによる賃貸経営で儲かる仕組みとは

仕組みのイメージ

サブリースが広く利用されているのは、サブリースはオーナーにとってメリットが多いからです。また、賃貸住宅経営は趣味ではなく、投資として行われていることから「サブリースにはオーナーが儲かる仕組み」であるとも言い換えられるかもしれません。

ここでは、サブリースの具体的な仕組みを紹介するので、賃貸経営の状況に合わせてうまく活用しましょう。

オーナーの手間が不要

サブリースでは、オーナーが物件の清掃や家賃回収などの業務をする必要がありません。

もしオーナーが自分自身で管理を行う場合は、時間や手間などコストがかかります。

サブリースを利用すれば、経営に専念できるため、さらに儲かる施策を打ち出すことが可能です。たとえば、2つ目の物件を購入して投資規模を拡大できるかもしれません。

安定した家賃収入がある

賃貸経営でいちばん困るのは、空室が埋まらず家賃収入が得られないことです。

しかし、サブリースを利用すれば、物件を一括してサブリース会社が借りてくれるので家賃収入が保証されています。空室があっても、オーナーは満室時の約80~90%の家賃収入を得られます。

そのため、家賃収入がないというケースを回避できます。

空室が多い賃貸物件への対応

空室が多い賃貸物件であれば、サブリースを利用したほうが自主管理や管理委託より儲かると考えられます。

しかし、空室の原因によって、サブリース会社もなんらかの条件を付ける場合があります。たとえば期間を区切って、空室率に応じて家賃保証率や家賃の設定などを変えるケースがあります。

そのため、空室が多い場合は、契約の条件を詳しく確認して検討しましょう。契約条件によっては、自主管理や管理委託では得られなかった利益が得られるかもしれません。

サブリースを活用して儲けるためのコツ

サブリースを利用するには手数料が必要ですが、コツを押さえれば儲けられる便利なサービスです。

物件選び

サブリースを活用して儲けるには、物件選びが重要です。

共用部分の清掃などに手間がかかるような物件であれば、サブリース会社に業務を委託できるサブリースを活用することをおすすめします。

また、生活の時間帯が異なるさまざまな職種と年齢層の入居者がいるような物件の場合、家賃回収やトラブル対応などの手間とコストがオーナーには重い負担になりやすいです。負担を解消するために、サブリースを利用するのもよいでしょう。

家賃などの見直し

サブリース会社が、〇〇年間家賃固定保障などの宣伝文句でオーナーにアピールしているケースがあります。

しかし、一般的には入居者の家賃見直しが2年ごとに行われます。

入居者からの家賃収入が減って、サブリース会社がいつまでも固定金額の家賃保証を継続することは考えにくいです。サブリース会社の家賃保証の内容は慎重に確認しておくことが必要です。

業務をサブリース会社に丸投げしていると、入居者の家賃収入が減った場合のオーナーの取り分について、無頓着になってしまうおそれがあります。

オーナーとサブリース会社の利益の取り分は、あらかじめしっかりと確認しておくことが必要不可欠です。

サブリース会社選び

サブリースで儲けるには、信頼できるサブリース会社と協力することが重要です。

サブリースは、専門知識や経験、実績を有しているサブリース会社だけが儲かる仕組みだと考えてしまいがちです。しかし、管理業務をすべて任せられるうえ、安定した収入を得られるため、オーナーにとってメリットは大きいです。

親身に相談に乗ってくれるサブリース会社であれば、賃貸経営の信頼できるパートナーになります。

まずは、実績が豊富なサブリース会社に相談することから始めましょう。


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