賃貸管理コラム

サブリースのメリットとデメリットを分かりやすく解説。おすすめのケースとは?

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サブリースとは、マンションやアパートなどの賃貸不動産を管理・運営する形態のひとつです。サブリースを提供する会社が不動産のオーナーからマンションやアパートを借り上げ、別の入居者へ転貸する仕組みを指します。

オーナーにとっては管理の手間や空室が生まれるリスクを回避できる便利なサービスのため、経営方法として検討する人もいるでしょう。メリットに感じる要素も多い一方で、デメリットもあります。

本記事では、サブリースのメリットやデメリットを詳しく解説します。また、具体的にどういったケースにサブリースが向いているのかも紹介するので、サブリースを導入する際の検討材料になれば幸いです。

サブリースのメリット

サブリースでは、オーナーは入居者の有無に関わらず、サブリース会社から一定の家賃収入が保証されます。

アパートやマンションの入居者はサブリース会社と契約をして、サブリース会社に家賃を支払います。

ここでは、具体的なサブリースのメリットを4つ紹介します。

空室リスクがない

マンションやアパートなどを経営する際に、最も怖いのが空室リスクです。

空室から家賃収入は1円も入ってきません。お金をかけてどれだけ大型の物件を取得しても、空室率が高ければ赤字経営は免れません。

たとえば、1LDK10室で家賃が10万円の場合、満室が続けば1ヶ月の家賃収入は100万円、1年間の家賃収入は1,200万円になります。しかし、10室のうち4室で空室ができれば1年間の家賃収入は720万円にしかならず、満室状態とは大きな違いがあります。空室が多いほど家賃収入は減ります。

サブリースであれば、空室の有無に関わらず、サブリース会社から一定の家賃収入を受け取ることができます。相場は満室家賃の約8〜9割です。

先ほどと同様に1LDK10室で家賃が10万円の賃貸を経営しており、保証される家賃が8割だとします。すると、4つの空室があったとしても、960万円を毎月受け取ることができます。この物件に限れば、サブリース契約のほうが高い収入が得られることが分かります。

サブリースは、空室リスクを回避して安定した収入が得られるため、安心して賃貸経営ができる仕組みなのです。

家賃滞納リスクがない

入居者がいても、家賃が支払わなければオーナーは収入を得ることはできません。家賃滞納が続けば、収入ゼロが長く続きます。

入居者が家賃を滞納しても、サブリース会社から家賃収入を受け取れることも、サブリース契約のメリットと言えます。

  • 家賃を滞納するかもしれない
  • 家賃滞納が続けばローン返済が難しくなる

上記のような家賃滞納リスクに関する心配事がなくなるため安心です。

空室と同様に、家賃滞納が発生しても、一定の収益を見込めるのはサブリースを導入するメリットです。

物件の管理を任せられる

マンションやアパートなどを経営するならば、物件管理を通じて、次のような業務が発生します。

  • 入居手続き
  • 賃貸借契約の締結
  • 契約更新手続き
  • 家賃の徴収
  • 未収金の督促
  • 入居者、近隣のクレーム対応
  • 退去手続き
  • 共用部分の清掃、保守
  • リフォーム手配

これら管理業務をすべて、オーナーひとりで対応するには大変な労力が必要です。副業として賃貸経営をしている場合は、本業に支障が出ることもしばしばあることです。

サブリースを利用すれば、入居手続きや家賃の徴収、クレーム対応などをすべてサブリース会社に任せることが可能です。

オーナーは賃貸経営に関わる業務の多くから解放され、毎月振り込まれる収入を確認するだけでもよいかもしれません。

トラブルの当事者にならない

前述したように、入退去手続きや家賃徴収、クレーム対応などをすべてサブリース会社に任せられます。そのため、入居者や近隣住民とのトラブルが発生しても、オーナーは当事者にならずに済みます。

オーナー自らが管理業務の対応をする場合は、トラブルが発生したときに当事者として入居者や近隣住民とやり取りしなくてはいけません。大きなストレスを抱えてしまうでしょう。

賃貸経営ならではの人間関係のトラブルを避けることができるのは、大きなメリットといえるでしょう。

サブリースのデメリット

メリットだけでなくデメリットも理解しておくことで、自分に合うかどうか判断できるでしょう。

収入は通常の家賃より低い

サブリースにおいて保証される収入が満室家賃の約8〜9割にしかならないことは、デメリットといえます。

たとえば、部屋数が5室で家賃が10万円の場合、満室であれば月50万円の収入があります。しかし、サブリースで保証される収入は月約40万〜45万円です。空室が発生していれば保証額のほうが多くなりますが、容易に満室が見込めるような人気物件であればサブリースを利用しないほうが収入は多くなります。

場合によっては、サブリースを利用しないほうが稼げる可能性があることを覚えておきましょう。

修繕費用がかかる

一定の収入は保証され、管理は任せることができても、建物の修繕費用はオーナー負担である場合が多いです。

  • 入居者が退去したときの原状回復費用
  • 大規模修繕費用
  • 室内のリフォーム費用

上記のような負担があるため、あらかじめ資金計画を立てておく必要があります。修繕費用は賃貸住宅経営に不可欠な費用で、サブリース契約に限った話ではありませんが、サブリースの安心感から修繕費用の工面を怠り、失敗してしまうこともあるようです。

契約によっては、修繕費用をオーナーが負担しなくてもよいケースもあります。事前にだれが修繕費用を負担するのかは確認しておきましょう。

保証される収入が下がる可能性がある

サブリース会社から受け取る家賃保証は、一定期間ごとに見直される場合が多いです。

契約期間中であっても、減額の請求を受けて毎月保証されている収入が下がる場合があります。想定以上に下がると、ローン返済に支障が出るおそれもあるので、気をつけなくてはなりません。

サブリース会社を選ぶときは、契約前に家賃保証の見直し条件について確認しておきましょう。

サブリース会社が倒産するリスクがある

サブリース会社が倒産すると、家賃保証などを受けられなくなります。

さらに、入居者がサブリース会社に預けていた敷金がオーナーに返済されないなど、トラブルに発展するケースもあります。

またサブリース会社の経営がうまくいっていない場合は、家賃保証額を大幅に減額してくることもあるので注意が必要です。

サブリースを検討する場合は、実績があり、信頼のできる会社を探しましょう。

サブリースは危険?

契約途中での家賃減額や途中解約のデメリットがあるため、サブリースは危険なのではと心配される方も多いようです。

実際、サブリース契約を巡るトラブルは後を絶ちません。

しかし、そうしたトラブルの問題を受けて、2020年にサブリース新法が施行されたことで、より安心してサブリースを利用できるようになったと評価されています。

新法では、誇大広告や不当な勧誘行為を禁止しており、オーナーと契約を結ぶ前にさまざまな条件に関する重要事項説明が必要です。サブリース会社は、契約更新や家賃保証、契約解除などに関する定めを記載した書面などを交付して説明しなければなりません。

また、2021年からは賃貸管理業者を登録する制度が始まっており、安心して利用できる環境が整備されています。

サブリースに向いているケース

手で指し示す女性

サブリースはどのようなケースに向いているのでしょうか。

副業としてアパートを経営している

近年、老後の不安から、副業としてアパート経営を始めるサラリーマンなどが増えています。

そのため、下記のようなケースがあります。

  • 仕事が忙しくて管理に時間をかけられない
  • 煩わしい手間を省きたい
  • 入居者とのコミュニケーションに不安がある

サブリースでは、入退去手続きや家賃徴収、クレーム対応などをすべて任せられます。そのため、オーナーは管理業務に時間や手間をとられることがありません。

副業として賃貸経営を検討しているオーナーも、サブリース方式であれば始めやすいでしょう。

不動産経営の専門的な知識がない

特に不動産経営が初めてのオーナーであれば、専門的な知識があまりなく、不安に思う方もいるでしょう。

また、大規模な部屋数が多い物件であれば、初めての経営ではなくとも、専門的なノウハウが必要です。手続きや収支計画などをしっかりとしていないと、経営が成り立ちません。

サブリースであれば、空室率が高い物件であっても専門家に任せて毎月一定の収入を得ることが可能です。

また、サブリース会社の管理方法などから専門的な知識を身に着け、将来的に自身で2棟目を経営するのもよいでしょう。

新しい法律が施行されたことで、今後さらに安心して利用することが可能になるでしょう。まずは、自身の物件状況も合わせて、信頼できるサブリース会社に相談してみましょう。


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