賃貸管理コラム

サブリース方式のマンション経営は失敗しやすい?成功するための対策を考えよう

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数あるマンションの経営手法の中で、最もオーナーの手間がかからないのがサブリース方式です。

サブリース方式では、オーナーがサブリース会社に一括で物件を貸します。サブリース会社はオーナーから借りた賃貸住宅を部屋ごとに入居者へ転貸します。

サブリース会社は満室時を想定した家賃の約10%の手数料を徴収し、残りの90%を家賃保証としてオーナーに支払うことが多いようです。

空室や滞納が発生しても毎月同じ家賃収入を手間なく得ることができます。

一方、きちんとリスクをコントロールしなければ、経営に失敗してしまうおそれもあります。

本記事では、サブリース方式のマンション経営でよくある失敗例を紹介します。後半では、失敗しないための具体的な対策も解説するので、サブリース方式でマンション経営を検討している方のご参考になれば幸いです。

サブリース方式のマンション経営での失敗例

サブリース方式のマンション経営ではどのような失敗があるのでしょうか。

失敗例①賃料見直しで想定通りの収入が得られなかった

「30年間家賃保証」などの文言を一度は目にしたことがあるはずです。このような広告の文言を鵜呑みにして、サブリースを「30年間ずっと同じ額の賃料をもらい続ける」契約であると、錯覚してしまう方がよくいます。

しかし、これは、30年間ずっと同じ家賃を振り込むという意味ではありません。実際には、30年間一定の率(たとえば家賃収入の90%)をオーナーに支払うという意味で、使われることが多いようです。

一般的なサブリースでは、賃料の見直しが定期的に行われます。賃料は建物の老朽化とともに減少することがほとんどのため、堅実な賃貸経営をするには、賃料が減少したとしても通用する収支シミュレーションを組む必要があります。

見通しが甘すぎると、賃料見直しによる収入減でローン返済が難しくなる場合もあります。収入減になったとしても問題のない収支計画を立てましょう。

失敗例②入居者の質が落ちた

サブリースでは、入居者の審査はサブリース会社がすべて行います。これは手間がかからないメリットもありますが、一方でオーナーからすると望ましくない入居者を入れられるリスクもあります。

もちろん、サブリース会社からしても質のよい入居者を入れたほうがよいです。物件の価値を高め、より高い収益を得られるだけでなく、入居者からのクレーム対応が減るなどのメリットがあるためです。

しかし、悪質なサブリース会社に任せてしまうと、空室を作らないためにわざと入居審査を緩くする事例があるようです。本来ならば審査で落ちるような人が入ってしまい、なんらかのトラブルに発展してしまうおそれがあります。入居者が集まりづらい物件ほど注意しなければなりません。

失敗例③契約していたサブリース会社が倒産

契約期間中にサブリース会社が倒産してしまうというケースも過去にありました。

賃料の振込がされていないと思い連絡をしてみたが、電話が全くつながらない。数日して、倒産が発覚した際にはもう手遅れです。

サブリース方式では、入居者の家賃はまずサブリース会社に支払われます。サブリース会社が倒産してしまうとオーナーへ賃料が支払われなくなり、収入が途絶えてしまいます。

また、入居者についての情報もサブリース会社しか、もっていません。そのため、それぞれの入居者に対してオーナーが倒産した旨を説明し、契約先と賃料の支払先を説明して回らなければなりません。

これらに手間取っていると収入が滞り、ローン返済に悪影響が出る場合もあります。

その他の失敗例

サブリース方式に限らず、マンション経営では失敗することが多々あります。

失敗例①表面利回りしか見ていなかった

表面利回りしか見ずに、物件を購入してしまうのはよくある失敗です。

投資用マンションなどのチラシでは、よく「表面利回り15%」などの表記がされます。表面利回りとは家賃収入を購入価格で単純に割ったものであり、その他の諸費用は一切考慮されていません。

「利回り15%で資産運用できる」と勘違いして購入してしまった後、想定以下の収入になってしまうことがあります。

失敗例②適切な修繕を行わなかった

不動産は築年数が経つと劣化していきます。共有部の修繕にかかる費用は、所有者であるオーナーが負担しなければなりません。

オーナーが修繕に関する知識が不足していたり、修繕にかかるコストを過度に節約しようとしたりすることで、適切な修繕がなされない場合があります。

劣化が激しいと物件の価値は下がり、空室率の上昇や賃料の減少につながります。

失敗例③ローン借り入れが過多であった

資金シミュレーションが甘すぎることで、返済能力以上のローンを借りてしまう場合があります。

空室が増えるほどマンション経営は苦しくなりますが、借入金額が少なければ耐えることができます。

資金シミュレーションの際にランニングコストを適切に見込んでおかなければ、ローン返済返済すらおぼつかなくなるでしょう。

失敗例から考える対策

筆記用具を持つ女性

では、どうすればこれまで紹介したような失敗をせずに済むのでしょうか。

対策をしっかり行えば、メリットの多いサブリース方式をよりよい形で活用できます。

対策①契約書の内容をしっかりチェックする

サブリース方式を成功させる秘訣は、きちんとしたサブリース会社と手を組むことです。

サブリース会社の良し悪しを判断するためには、契約内容を確認することが重要です。契約書でチェックしたいポイントは3つです。

手数料が妥当な設定になっているか

サブリース会社の取り分となる手数料が相場並みかは、まず確認しましょう。

手数料の相場としては賃料の約10〜20%といわれていますが、物件により異なります。周辺物件の賃料相場をしっかり把握しておくことが重要です。

また、空室時の免責期間についても確認しておきましょう。

サブリース契約では、客付けに必要な期間として、空室が発生した際に数カ月オーナーへの賃料の支払いを免除する条項があります。その期間が長いほどオーナーの収入は減少してしまうため、適正な免責期間かは確認しておく必要があります。

賃料の改定のスパンはどのくらいか

サブリース契約では、賃料の改定は付きものです。どのくらいの頻度で、どういった内容が改訂されるのかは確認しておきましょう。

たとえば、以下のようなポイントが挙げられます。

  • オーナーに支払われる賃料が当初の取り決めの通りに支払われる期間は何年なのか
  • 値下げは何年ごとにあるのか
  • いくらくらい値下げされるのか

中途解約の条件は適正か

最も確認しておきたいのが、中途解約に関する条項です。

サブリースでは、物件を数十年という長期にわたりひとつのサブリース会社に管理を依頼します。信頼関係が崩れ中途解約するとなってしまった場合、スムーズに解約できるかは重要なポイントです。

サブリース契約ではサブリース会社側が借主、オーナー側が貸主です。借主であるサブリース会社は借地借家法により守られているため、オーナーからの解約はしづらいのが一般的です。

そのため、オーナーからの解約がしやすくなっているかをあらかじめ確認しておきましょう。

対策②資金シミュレーションを実施する

マンション経営ではさまざまなコストが発生します。

コストの見積もりが甘いと、想定以上に家賃収入が減少してしまった場合に耐えられなくなり、ローン返済が滞るなどの事態が発生します。

投資を行う前に、必ず収支シミュレーション表を作成しましょう。その際に見込んでおきたい項目は以下のとおりです。

家賃収入
  • 毎月の家賃収入
  • 空室が発生した際の減収や経年劣化による減収
初期費用
  • 不動産会社への仲介手数料
  • 税金(不動産取得税・登録免許税・印紙税)
  • その他費用(司法書士への報酬)
ランニングコスト
  • 税金(固定資産税・都市計画税)
  • 建物の保険料
  • ローンの返済金利
  • 管理にかかる費用
  • 修繕にかかる費用(特に数年に一度の大規模修繕)

対策③信頼できるサブリース会社と契約する

一番重要な失敗しないための対策は、信頼できるサブリース会社と契約することです。

サブリース方式では、本来であれば発生する入居者ごとに結ぶ契約がなく、契約はサブリース会社と締結する最初の一度のみです。

空室や滞納が発生しても毎月安定した収入を得ることができ、日々の管理事務はすべてサブリースにお任せです。

サブリースのメリットを最大限に受けるためには、信頼できるサブリース会社に物件を任せることが重要です。

今回、さまざまな失敗例をご紹介しましたが、「失敗は成功の母」ともいいます。不動産投資の醍醐味は、さまざまな工夫で失敗をリカバリーできることです。

まずはどのようなサブリース会社があるかを知るところから始め、実際に話を聞いてみましょう。


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