賃貸管理コラム

どこまで任せる?管理会社の上手な使い方

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賃貸経営をする上で管理業務はとても大切な仕事です。 実際、物件オーナーの仕事と言うのは、基本的に管理業務になります。 具体的には定期的な清掃業務やメンテナンス、入居者のクレーム対応、家賃の回収などが主な業務になりますが、その他も細かい業務を含めると数えきれません。 賃貸経営は、不労所得で楽なイメージがありますが、実際はオーナーになると何かとやることが多く忙しいものです。 そんなオーナーの味方になるのが、不動産管理会社です。 不動産管理会社とは、オーナー業務を代行してくれる業者のことです。 管理会社は、オーナーの物件を管理することで毎月得られる、管理手数料を収益源として事業を運営しています。(※管理手数料は一般的に家賃額の3%~5%ほどです。) 今回は、管理会社の使い方をテーマに管理会社の上手な使い方や選び方などについて解説します。

1.そもそも管理会社ってどこまでやってくれるの?

コラムイメージ1 まず、管理会社の業務範囲について解説します。
管理会社は、基本的にオーナー業務のほとんどすべてを代行してくれます。
オーナー業務は、大きく以下の3つの業務に分けることが出来ます。

1)入居者の管理
2)物件の管理
3)お金の管理

会社によって行う業務は多少違いますが、基本的にこれから解説する業務はほぼすべての管理会社で委託することが出来ます。
管理会社の中で管理プランがある場合が多く、どこまで管理内容とするのかで月々の手数料に差をつけている会社がほとんどです。
オーナーとしてどこまで管理会社に任せたいか、考えてみましょう。

1)入居者の管理
不動産投資は入居者からの家賃収入によって成り立つ事業ですので、入居者の管理は最も重要な業務になります。
管理会社は、入居時から退去時まで必要な業務を代行してくれますので、入居者と直接関わりたくないというオーナーの方にも安心です。
ここでは入居者の管理について解説します。

・入居者募集
賃貸仲介まではしていない会社もありますが、ほとんどの管理会社は、物件の管理と合わせて賃貸仲介の事業も行っています。
不動産経営は入居があってはじめて成り立つ事業ですので、この入居者募集が強い管理業者はオーナーとしてかなり強い味方になります。
逆に仲介業務を請け負っていない会社に関しては自分で賃貸業者に営業をかけて入居者を募集する必要がありますので、注意が必要です。

・クレーム対応
大家業と言えばクレーム対応と言われることもあるくらいオーナー業務でクレーム対応は大きな部分を占めるでしょう。
単にクレーム対応と言うと、悪いイメージを持つ方が多いと思いますが、ここで言うクレーム対応とは入居者からくる問い合わせに対する対応全般を指します。
「隣の部屋の住人がうるさい」のような解決が難しいものから「共用部の電気が切れてしまっている」と言うような簡単なものまであります。
管理会社に委託することで、窓口は管理会社となり、入居者から直接連絡が来ることはなくなりますので、日々のストレスは軽減されます。

・退去時の対応全般
入居者が退去する際には、退去日の確認、退去する際の立会い、契約期間(通常2年)に満たない退去の場合は、違約金の請求などの対応があります。
特に、退去時の立会いは、入居者の過失によって修繕が必要になった箇所については別途修繕費を請求する必要がありますので注意が必要です。
オーナー自身が違約金や修繕費を請求するのは、なかなか精神的にハードルが高いですが、そこも管理会社が代行してくれますので安心です。

2)物件の管理
物件の管理とは、建物や庭など物件全体の管理を指します。
物件の見映えが悪くなると入居にも悪影響が出ますので、常に綺麗な状態を保っておく必要があります。
物件から家が遠い場合や別の仕事で忙しい場合には、なかなか物件を見に行けず、物件の状態が心配になるところですが、管理会社に業務委託すれば安心です。
ここでは、物件全体の管理について解説します。

・共用部分の清掃
駐車場や駐輪場、階段や通路等の共用部分の清掃、庭の除草などは定期的にしておく必要があります。
管理会社によっては自社に清掃会社を持っていることもあります。

・設備についての管理
水道やトイレ、洗面台、キッチン等、元からついている設備については、オーナーの所有物ですので、故障などの不具合が生じた場合にはオーナーが対処しなければなりません。
管理委託している場合には、故障があれば管理会社に連絡が来るため、管理会社がその後の修繕まで対応してくれます。
金額が一定以上の修繕や設備の交換が必要な場合は管理会社からオーナーに確認の連絡が行きますが、その金額は管理会社によって異なりますので、必ず契約内容を確認しましょう。

・外観部分のメンテナンス
屋根の防水加工や壁の塗装など、建物の外観部分についても定期的なメンテナンスが必要です。
管理委託している場合は、メンテナンスが必要な際に管理会社から提案の連絡がきます。
この場合は金額が大きくなりますので、オーナー側も現地確認の上、判断しなければならない場合が多いです。
下請け業者を抱えている管理会社も多いので、特に付き合いのある業者がないという場合は、管理会社に任せてしまう方が、費用は高くなりますが、早くて手間がかかりません。

3)お金の管理
事業を行う上での資金は、オーナーが管理しなければなりませんが、入居者からの家賃の回収は、管理会社に委託することが出来ます。
所有する物件が多くなればなるほど、自分で家賃の回収をすることは、確認作業や未収世帯に対する督促などを考えるとかなり大変です。
管理会社に委託した場合には、一旦、管理会社が家賃を預かってそこから管理手数料を差し引いた残りの額をオーナー側に振り込む場合が多いです。
管理会社によっては、家賃の滞納保障をしてくれる会社もありますので、滞納に悩むストレスもなくなります。

2.管理業務はどこまで任せるのが適切?

コラムイメージ2 管理会社に委託できる業務を確認したところで、次にどこまで委託するのが適切であるかを解説します。
結論から言うと、管理業務を委託する範囲については、そのオーナーの状況や所有する物件によって異なります。
オーナーによっては、賃貸経営を専業でしている方がいれば、会社員との兼業でしている方もいます。また、所有する物件も家の近くの方もいれば、遠方に所有している方もいます。
それぞれ置かれている状況が全く違う中で、絶対にここまで任せるのが適切であると言う範囲はありません。
大切なことは、管理業者を上手に使う、と言う意識です。

<自分に出来ない業務範囲だけ委託する>
管理会社を上手に使うと言ってもよく分からないという方もいると思います。
特に賃貸経営をこれから始める初心者の方は、まだ、オーナーがやるべき業務についてイメージが出来ない分、委託するべき業務がはっきりしないでしょう。
そこで、イメージが出来ないという方は、一回管理会社に自分で足を運んで提案を受けてみることをおすすめします。
先述したように、管理会社は、業務の範囲によって手数料を変えている会社が多いので、まずは、どこまで委託すれば費用がどれくらいかかるのかを知ることが重要です。
インターネットで検索すれば、管理会社は沢山出てきますので、3社から5社くらいに絞って提案を受ければ大体の相場感はつかめてきます。
管理会社の業務内容や相場感が分かってきたら、その業務の中から自分で出来ることは省いて、出来ない部分だけ、書き出していきましょう。
遠方の物件であれば、基本的に管理会社に委託しなければ成り立ちませんが自宅近くで物件を所有するのであれば、自分で出来ることもあるはずです。
自主管理出来る部分、出来ない部分をはっきりさせたら、再度、管理会社とプランのすり合わせをします。
この際、仮に自主管理出来ると思って、最終的にできなかったとしても問題ありません。
出来なかった部分は別途費用を支払って管理会社にお願いするか、別の業者に依頼すれば、多くの問題は解決します。
逆に自主管理出来ないと思っていても経営をしていく中でやっぱり自分で出来そうという業務も必ず出てきます。
管理委託契約には期間があり、その間のプラン変更は難しいかも知れませんが、可能であれば一度管理会社に相談してみましょう。

3.管理会社の選び方

コラムイメージ3 管理会社は、賃貸経営のパートナーになりますので、どの管理会社を選ぶのかで経営も変わってきます。
最終的には管理会社を選ぶオーナーの肌感覚になりますが、ここでは、管理会社を選ぶ上で特に重要となる要素について解説します。

・入居率が高いこと
入居率の数字で管理会社の評価は大きく変わりますので、管理会社であれば、どこの会社でも入居率は最も重要な数値として扱っています。
入居が埋まらないと管理手数料が発生しない為、管理会社自体の収益力も落ちてしまうからです。
入居率が高い会社はそれだけ、管理の質が高く入居者に評価されている証拠です。
また、安定して入居者を確保できる会社とも見ることが出来ます。
この入居率で注意したいポイントがどういった算出方法により入居率を出しているのかと言うことです。
この入居率の算出方法は明確なルールが存在しない為、管理会社によって算出方法が違います。
管理会社に入居率について質問する際は、その算出方法と合わせて、「年間の入居率」、「最も入居率が高くなる3月時点での入居率」を聞いてみると良いでしょう。

・管理と併せて賃貸仲介をしていること
先述しましたが、自社に賃貸仲介の部署がある会社であれば、空室が発生した際に入居募集がスムーズになります。
この入居付けが強い会社であれば、入居率も高くなり安定して家賃収入を得ることが出来ます。
逆に仲介部署がない会社や入居付けに強くない会社の場合、自力で入居者を探すことになりますので、他の仕事と兼業のオーナーにはかなり負担になります。

・担当者との相性が良いこと
窓口となる担当者との相性はとても大切です。
単純に人としての相性と言うのもありますが、業務の面でも基本的な対応が出来ているかと言うことや、何か依頼をした後のレスポンスの速さなどは確認しておきましょう。
仮に管理会社自体が評判の良い会社であっても窓口となって対応する担当者の対応が悪ければ、経営を進めていく上でのパートナーとして成り立ちません。
管理会社の選び方と言う趣旨とは少し外れますが、窓口として担当してくれる人がどう言う人なのかと言うことは、管理契約を交わす前に必ずチェックが必要です。

4.管理会社と上手に付き合うために

コラムイメージ4 今回は、賃貸経営をする上での管理会社の上手な使い方をテーマに管理会社の業務範囲やどこまで業務を委託するのが適切かについて解説しました。
賃貸経営において管理会社の存在はとても大きいものであり、経営を共に進めるパートナーとしてとても心強い存在です。ただ、経営している物件はあくまでオーナーの所有物であり、賃貸経営自体はあくまでオーナー自身が行うと言うことを忘れてはいけません。
管理会社に丸投げせず、経営者意識を持っていれば、自然と管理会社に依頼する業務についても明確に絞ることが出来ます。
また、不動産管理の委託方法としても、毎月の賃料を保証した上で全ての管理を任せることができるサブリース契約や、賃料の回収のみを任せる集金管理サービスなど、様々な賃貸管理プランがあります。
まずは管理会社に相談し、自分に合った賃貸管理プランを見つけるところから始めてみてはいかがでしょう。

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