賃貸委託を考えるならまずここ!どんな種類があるのか?
不動産経営をする場合、すべての業務を自分で行うのは大変難しいことです。そのため不動産オーナーは一部、またはほとんどを賃貸委託会社に委託し、経営を行う必要があります。この委託内容については、どのような種類や方法があるのでしょうか。
「サブリース」とは
賃貸の委託方法としてよく知られるサブリースとは、どのようなものなのでしょうか。
サブリースは又貸しや転貸を意味し、不動産のオーナーから物件を賃貸委託された管理会社が貸主となって、借主(入居者)と賃貸借契約を結びます。
賃貸経営の具体的な内容としては、主に入居者の募集、家賃の集金、滞納時の督促、クレーム対応、建物の管理やメンテナンスなどがあげられます。オーナーが物件の借主と直接やりとりをすることはなく、賃貸委託された管理会社が入居者管理を行います。
このように、管理業務に不慣れだったり、賃貸経営に時間をかけられないというオーナーにとって、サブリースは最適なシステムといえます。
しかし、サブリースだからといってすべてが安心というわけではありません。
管理会社に任せきりにするのではなく、運営・管理が健全に行われているかどうか、オーナーは定期的にチェックする必要があります。
また、サブリースを利用して安定的に収入を得ている間は気にならないかもしれませんが、建物のメンテナンスや修繕計画がしっかりしている管理会社を選ばないと、将来的に空室が増える原因にもなり、家賃収入も減少してしまいます。
「一括借上げ」と「サブリース」の違い
サブリースという言葉は、しばしば一括借上げと同じ意味合いで使用されますが、厳密にいうと契約の関係や定義の違いがあります。
一括借上げは不動産オーナーと賃貸委託された管理会社との間の契約関係です。管理会社はオーナーから物件を借りて転貸し、一般的には85〜90%の賃料をオーナーに支払います。
一方、サブリースは前述のとおり又貸し・転貸を意味し、賃貸委託された管理会社と転貸先である借主との間の契約関係のことを指します。
以上のような違いがありますが、それぞれの契約は一連の流れで行われるため、転貸を目的とした一括借上がサブリースと呼ばれるのです。
「一般管理契約」とは
その他の委託方法として、一般管理契約というものがあります。
この方法は一括借上げやサブリースとは違い、ある程度時間に余裕があり、主体的にオーナー業に携わりたいと考えているときに検討するとよいでしょう。
賃貸委託を依頼された管理会社は入居者の募集、滞納時の督促、契約更新、解約などの事務処理をオーナーに代わって行います。
サブリースと違うのは、賃貸借契約をオーナーと入居者が直接的に結ぶという点です。そのため、家賃設定などはオーナーの希望が通りやすく、資金計画がたてやすいともいえます。
一方で、いくら管理会社が入居者に関わる業務をサポートするとはいっても、空室が続いてしまったり、家賃の滞納が解決できなかったりした場合、これらの問題はすべてオーナーに跳ね返ってきます。
一括借上げやサブリースの場合には家賃保証が設定されているため、例え空室であったとしても一定の収入が得られますが、一般管理契約は空室に対する家賃保証はありませんので、注意が必要です。
オーナーが賃貸経営にどこまで関わるかがポイント
賃貸委託の形態はいろいろありますが、最適な方法を選ぶ尺度としては、オーナーが賃貸経営にどこまで関わるかがポイントになります。
賃貸経営に直接関わることができない場合には、一括借り上げおよびサブリースを、空室リスクはあってもオーナーとして自分の裁量をある程度発揮したいと考える場合には、一般管理契約を、というように、オーナー自身の状況に応じて選択することが大切です。