賃貸管理コラム

アパートとマンションを区分する明確な違いはありませんが、建物の構造などが区分する指標になります。
投資物件としてのアパートとマンションでの違いなども含めて、それぞれについて解説します。
アパートは物件価格がマンションよりも安く、共用部分も少ないことから管理負担が軽いです。また、家賃が安く、単身向けからファミリー層まで幅広い属性に対応可能です。初期投資を抑えて不動産投資を始めたい人、管理負担をできるだけかけたくない人におすすめです。
居住者では家賃を抑えたい人、生活音などが気にならない人が向いています。
マンションはセキュリティや防音性など機能面で充実している建物が多いのがメリットです。高層マンションであれば部屋から夜景や日の出などの景色も楽しめます。
戸建てや小規模なアパートよりも大きな規模を必要とするため、広い土地を所有している人はマンション経営に適しています。
居住者では部屋でストレスなく過ごしたい人、外の景色も楽しみたい人はマンションがおすすめです。ここでは、アパートとマンションの違いについて詳しくみていきましょう。
また、オーナー目線であれば利回り重視だとアパート、小額から投資を始めたい場合だと区分マンションになるでしょう。
ここでは、アパートとマンションの違いなどについて詳しくみていきましょう。
| アパート | マンション | |
| 建物の構造・建築材料 | 木造、軽量鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 |
| 階層 | 2〜3階 | 3階以上(タワーマンションの場合20階以上) |
アパートは低層階の集合住宅が多く、木造や軽量鉄骨造など比較的安価な建築材料が使われています。そのため初期費用を抑えることが可能で、家賃もマンションに比べると安く設定できるでしょう。
マンションは3階以上の中高層階で鉄筋コンクリートを使って建設されているため気密性や防音性が高く、賃貸ではなく購入して暮らす人も多いです。
| アパート | 一棟マンション | 区分マンション | |
| 空室リスク | 低い | 低い | 高い |
| 家賃相場 | 安い | 高い | 高い |
| 運営コスト | 安い | 高い | 安い |
区分マンションは一部の部屋だけなので、一棟マンション投資と違い全体のコストを負担する必要がありません。ただし所有しているのが一室のみの場合、空室になると家賃収入が得られなくなります。
| アパート | マンション | |
| 固定資産税 | 構造による評価額は比較的低い傾向 | 構造による評価額は比較的高い傾向 |
| 減価償却費 | 耐用年数が短いため、経費計上できる金額が大きい | 耐用年数が長いため、経費計上できる金額が小さい |
| 相続税評価額 | 構造・築年数により評価される | |
マンションと異なり、常駐する管理人がいないことや設備がマンションほど整っていないため、家賃とともに管理費も抑えられます。また、木造アパートの場合、通気性がいいので結露やカビの発生を低減できるでしょう。
アパートのデメリットとしては、防犯上の設備が不足している点や、遮音性が低いため周囲の住民の生活音が聞こえやすい点などが考えられます。
アパートによっては防犯カメラやオートロックなどの設備がないところもあり、防犯面で不安に感じられることもあるでしょう。
また、木造や軽量鉄骨造の作りだと音が響きやすく、足音や掃除機の音、話し声などの生活音が気になることもあります。リフォーム可能な物件では防音効果の高い建材を入れたり、間取りで工夫したりして防音効果を高めることも可能です。
その反面アパートと比較すると家賃が高く、建築する場合は制約が多い点などがデメリットに挙げられます。駅近や人口の多い都市部など入居者が見込める土地でなければ利益が出にくいことから、立地の制約が大きいといえます。また、エレベーターがあるマンションであれば維持管理費などがかかるため、負担が大きいでしょう。
また、初期費用を抑えて利回りを高めたいなら、築年数が20〜30年ほどの中古物件がよいでしょう。初期費用が少ないので、早ければ8〜10年ほどで黒字化できる可能性があります。
長く入居してもらうことを目指すのであれば、2LDK〜3LDKのファミリー向け物件がおすすめです。ファミリー層は長く入居する傾向があり、入居需要が安定しています。このように、不動産投資を行う目的に応じて物件を選択することで、目的達成に近づけるでしょう。
負担を軽減するには、管理会社に業務の全てもしくは一部を委託する方法があります。ここでは管理業務の現状と管理会社選びのポイントについて詳しくみていきましょう。
国土交通省の『賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査』によると、全て自主管理のオーナーは全体の約2割程度です。
自主管理で入居者を募集すると、物件情報が周知されにくく、オーナーの広告活動に頼らざるをえません。そのため、管理会社を通じてレインズに登録してもらうことで、業界内で物件情報が周知され、客付けが自主管理に比べるとよくなるでしょう。
ただし、管理会社は入居者募集のみを委託されるケースよりも他の管理業務についても委託しているケースを優先して物件情報を広告するため、一部委託であればやや客付けが弱まる可能性があります。
オーナーと担当者とのコミュニケーションがしっかりできていて、入居者トラブルが発生した際にはすぐに対応し、オーナーにも連絡や報告が滞りなく進められていると信頼関係が構築されやすいです。
マンションやアパートの経営は、実際儲かるのでしょうか。ここではオーナーの年収や他の不動産投資と比較した際のメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
| 平均所得金額(千円) | |
| 平成25年分 | 5,117 |
| 平成30年分 | 5,181 |
| 令和3年分 | 5,427 |
| 令和4年分 | 5,425 |
| 令和5年分 | 5,471 |
国税庁が発表している申告所得のデータによると、不動産所得者の平均所得は年々増加しており、令和5年では547万1,000円となっています。事業所得者の平均所得は令和5年で483万4,000円ですから、約64万円ほど不動産所得が多いです。
また、所得1,000万円以上のオーナーは不動産所得者全体の39.6%となっています。このことからマンション・アパート経営は儲かるといってもよいでしょう。
貸店舗は、入居者がいると高い賃料が得られる点や長い期間入居してもらえる可能性がある点などのメリットがある一方、立地によっては空室リスクが高いでしょう。
また、駐車場などは土地の広さや形状に関係なく始められて、初期費用を抑えられるものの、1台あたりの駐車場代は少額のため、インカムゲインが少なかったり、税制の優遇措置が受けられなかったりします。安定的に収益を得ながら節税するにはアパート・マンション経営がおすすめです。
対策として、空室対策に優れた信頼できる会社に委託するなど客付けを強化したり、狙っているエリアの入居ニーズをあらかじめ調査し、マッチした物件を探したりすると入居者が集まりやすいでしょう。
家賃下落リスクは、物件の築年数が古いことや見た目が悪いなどが原因にあげられます。定期的なメンテナンスでできるだけ新築に近い状態を保てるようにしたり、リフォームして設備を以前よりもよくしたりすると家賃下落リスクが抑えられます。
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